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東北の保育者たちに学び、備える~巨大地震が来る前にできること

元・名古屋短期大学保育科教授まきさんと一緒に考える保育所・幼稚園の震災・防災・地震対策

津波想定区域の保育園の避難 保育園の屋上を避難タワーにした例

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津波想定区域の保育園の避難
保育園の屋上を避難タワーにした例


震災を経験した東北の保育士さんたちに「全国の保育士さんたちに伝えたいことは何か」と聞くと、みなさん「すぐに高い所に逃げるように伝えてください」と言われました。

高い所に避難する

それでは津波想定区域にも関わらず、近くに高台、建物などの緊急に避難できる場所がない場合はどうすればよいでしょうか。
自治体が写真のような避難タワーを園の近くに造ってくれていればよいのですが、近くに避難タワーもない所も多いと思います。
港区避難タワー
港区南陽町の避難タワー

避難の距離は500m以内

東北の保育所では、1キロメートル以上逃げたという園もありました。
坂道を登っての避難ですから小さな子どもたちを連れて避難するには500メートルくらいが限度です。

園舎の屋上に避難

愛知県内には、近くに避難できる高い場所がない園で屋上に避難できるようにしている保育所がいくつかあります。

名古屋市港区 わんぱく保育園

わんぱく園舎1

園舎2

名古屋市立港区の私立わんぱく保育園は、園舎が海抜ゼロメートルの場所に建っています。新規開園に際して園舎中央と園庭の2か所から屋上に上ることができる階段を作りました。
南海トラフ地震で想定される津波高は最大5メートルですから、屋上への避難で対応できます。
屋上にはトイレと水道が用意されています。また、写真は日よけシートがかけてありますが、避難時は雨を防ぐため、ビニールシートがかけられるようにしてあります。
わんぱく保育園の園長さんは元消防士です。防災のプロとして日本一安全な保育園目指して設計されました。

港保育園1
名古屋市立港保育園
港保育園の屋上避難場所

名古屋市は、港保育園の新築移転に際して、屋上に避難場所を設置しました。
港保育園も海抜ゼロメートルの場所に建っており、地域の市民の方も避難できるように非常時にはかぎを開けると外からも屋上に避難できるようにしてあります。

弥富市十四山保育所

十四山保育所

十四山保育所は何度か紹介しましたが、海抜-1.5メートルの所に立地していますので、津波や堤防が切れると避難できなくなります。
地域住民の方も近くに避難できる場所がありません。
園だけでなくと住民の方も要望され、約2,800万円かけて屋上への非常階段と屋上に多くの人が昇ってもよいように補強工事をしました。
避難訓練には、年1回、地域の人たちも屋上に避難する訓練をしています。

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津波の被害が心配な街 2 名古屋市

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津波の被害が心配な街 2 名古屋市

大阪市に続き、日本最大の海抜ゼロメートル地帯を抱える名古屋市を含む濃尾平野の解説です。

伊勢湾は巨大な海だった


濃尾平野 古地図

大阪平野同様に濃尾平野も縄文前期には平野のほとんどが海の下でした。
図は、国土交通省中部整備局のホームページからの紹介です。
元の地図は猿投神社のものとされていますが、何度も書き写しがされているようで正確とは言えませんが、伊勢湾の一番奥は岐阜県まで達しています。

地図の右下あたりの「熱田」という所は熱田神宮のある場所ですが、そのあたりまで平野になっており、城下町となっていました。
熱田神宮の近くに東海道五十三次の宮宿がありました。
宮宿の次の宿場は桑名宿(現在の三重県桑名市)ですが、東海道で唯一渡し船でしか通行できませんでした。
湿地や海で道が作ることができなかったからです。

日本最大の海抜ゼロメートル地帯

十四山保育所2
写真は愛知県弥富市の十四山保育所

さて、現在の濃尾平野ですが、海抜ゼロメートル地帯は全国最大の336㎢で、全国の海抜ゼロメートル地帯の3分1を占めています。
名古屋市の南側と西側にあたりますが、海抜ゼロメートル地帯を抱えた自治体は、愛知県津島市、稲沢市、弥富市、愛西市、あま市、海部郡(蟹江町・大治町・飛島村)、常滑市、半田市、東海市、武豊町、碧南市、刈谷市、西尾市、蒲郡市、豊川市、豊橋市、田原市、名古屋市(南区・港区・中村区・中川区・熱田区・緑区・瑞穂区)、三重県津市、四日市市、桑名市、松阪市、川越町、明和町、伊勢市、岐阜県海津市に及びます。

伊勢湾台風では大変な被害

1958年の伊勢湾台風では、海抜ゼロメートル地帯が大変な被害にあいました。
弥富市は、伊勢湾台風の時に3か月以上水が引きませんでした。名古屋市内でも1か月水が引かない場所もありました。
南海トラフ地震では、最初の揺れで地盤が下がる恐れがありますので、一層深刻です。

南海トラフ地震の愛知県の被害想定

南海トラフ地震が発生すると、愛知県が試算した最大の被害想定は、29,000人の死者が出るとしています。
東日本大震災の震災関連死を除く死者・行方不明者がおよそ1万8千人ですから、大変な被害が想定されています。
浸水地域も98.7㎢に及びます。

十四山保育所

写真は前述の十四山保育所ですが、近くに高い建物もないことから、園舎の屋上に避難できるようにしました。
自治体の責任で子どもたちを守る取り組みが求められます。

津波の被害が心配な街 1 大阪市

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津波の被害が心配な街 1 大阪市
南海トラフ地震は、最大で北は茨城県から南は沖縄県までの主に太平洋側で津波の犠牲者が出る予測です。
犠牲者の多くは、太平洋の面した自治体ですが、他にも心配な2つの市、大阪市と名古屋市を紹介します。
第1回目は大阪市です。

水の都大阪大阪の歴史的成り立ち
大阪府 古地図
上の地図は大阪府のホームページに紹介されている縄文時代前期の大阪湾の地図

大阪市は、淀川を始め一級河川が6河川流れており、明治の頃には「水都大阪」と呼ばれていたそうです。地名にも北区の中津など「水」にかかわる地名や 中之島、堂島、福島、都島など「島」のつく地名も多くあります。

縄文時代は、海面が東は生駒山麓まで河内湾が広がっていました。現在は、当時と比較すると5メートルほど海面が下がっていますので、河内湖は大阪平野となっています。

上町台地には、大阪城や四天王寺などの多くのお寺などがあり地盤は安定していますが、西の境目で場所にもよりますが6メートル以上低くなっています。

全国有数の海抜0メートル地帯

大阪平野全体で71㎢(うち大阪府55㎢、兵庫県16㎢)が海抜0メートル地帯です。
該当市区は、大阪市湾岸部及び淀川沿い、旧河内湖のあった地域。此花区、港区、大正区、西淀川区、住之江区、北区、福島区、西区、浪速区、淀川区、城東区、西成区、兵庫県尼崎市南部や西宮市南東部等です。
現在は周りが海でない場所もかつては周囲が海だった可能性があり、地盤は軟弱です。
津波による浸水や地震により液状化現象が起こりやすく、地盤が軟弱な地域は揺れも大きくなる可能性があります。

南海トラフ地震の被害は甚大
大阪府は、南海トラフ地震の被害を独自に推計しました。
津波による犠牲者だけで13万2千人が亡くなると推計しています。
大変な数字ですが、津波の到達には1時間40分ほどの時間がかかる予測ですので、素早く避難すれば限りなくゼロにすることができます。
大阪府被害想定


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