fc2ブログ

東北の保育者たちに学び、備える~巨大地震が来る前にできること

元・名古屋短期大学保育科教授まきさんと一緒に考える保育所・幼稚園の震災・防災・地震対策

過去300年間に巨大地震は13年に1回発生

Posted by MAKI on   0 

過去300年間に巨大地震は23回
13年に1回、1,000人以上が死亡


石巻市1小

東日本大震災以降も巨大地震が続く
2011年3月11日に発生した東日本大震災では22,000人以上の人が亡くなりました。
それ以降も熊本地震(震度7、死者273人)、大阪府北部地震(震度6弱、死者6人)、北海道胆振東部地震(震度7、死者42人)など巨大地震が続いています。
明らかに日本列島が活動期に入ったと指摘する専門家もいます。
それでは過去にさかのぼるとどれくらいの頻度で巨大地震が発生しているのでしょうか。

死者が出た地震は154回
1700年以降、死者が出た地震は154回発生しています。
2年に1回の割合で発生していることになります。
記録上、最大の犠牲者が出たのは1923年9月1日に発生した関東大震災で、105,000人ほどの人が犠牲となっています。

1,000人以上が死亡した地震は23回
熊本地震も大変大きな地震でしたが、ここでは1,000人以上の犠牲者が出た巨大地震に限定してみます。
今から300年前の1720年以降に死者1,000人以上の犠牲者が出た地震を調べてみました。
総計は23回です。計20万人以上の人が死亡しています。
このうち津波を伴った地震は、わかっているだけで16回(69.6%)です。

巨大地震による犠牲者は、北海道から沖縄まで全国で出ています。とにかく備えをしっかり行う必要があります。

スポンサーサイト



台風19号と八ッ場ダム

Posted by MAKI on   0 

台風19号と八ッ場ダム
地球温暖化と災害


地球温暖化と共に台風などの被害にどのように対応しなければいけないのかということも課題となってきています。
ここでは、2019年10月に発生した台風19号について触れます。

八ッ場ダムとは
八ッ場ダム
八ッ場ダムの完成予想(国土交通省ホームページより)

利根川は、新潟県と群馬県の県境から千葉県銚子市まで流れる日本では信濃川に次ぐ2番目に長い河川です。
八ッ場ダムは、利根川水系の最上流部の吾妻川(群馬県吾妻郡長野原町)にあり、建設にあたっては環境を守れということで反対運動が起こったことで知られています。現在は建設が進み、2020年4月に操業開始予定です。
AERAdot.(2019年10月28日)によると、台風が来る直前の10月1日から実際にダム湖に水を貯めて堤体や周辺の安全性を確認するための「試験湛水」を行っていましたた。
予定では、試験湛水開始水位の標高481.5メートルで約3カ月かけて標高583.0メートルまで貯水をするとのことでした。

台風19号の襲来
台風19号が接近してきた10月11日午前2時の時点で、ダム湖の水位は標高518.8メートル。ところが13日午前5時までの間の豪雨により、吾妻川には最大で毎秒2,500立方メートルに及ぶ流入量があり、水位は一気に573.2メートルまで54.4メートルも上昇しました。
この間、事前放流を行ってダム湖の貯水容量を増やして3,141万立方メートルを貯め、ダム湖に貯められた水量は約7,500万立方メートル(東京ドーム約60杯分)に達しました。
ダムは、その100%を受け止め、下流に放流されることはありませんでした。
利根川水系ですから、首都を直撃する河川ではありませんが、それでも場合によっては信濃川の氾濫のように多大な被害が出たであろうことは推察できます。

環境保護と治水の両立を
今回は、運用前ということでたまたま満水ではなかったことにより緊急放流をしなくても済みました。
地球温暖化により、大規模水害の恐れは今後ともに増すと思われますので、さらなる治水対策は必要です。しかし、環境保全という視点も忘れず、治水対策と両立させることが必要です。

荒川第一調節池と台風19号

Posted by MAKI on   0 

荒川第一調節池と台風19号
遊水地とは


大きな河川では昔から洪水対策として様々な対策を取ってきました。
河川敷を広くする、放水路を作るなどと共に遊水地(池)を作ることもあります。
遊水地は、河川の沿岸の低地部に氾濫した河の水が流入することにより、下流の洪水のピーク流量を減少させる目的の土地です。

荒川下流は全国有数の海抜ゼロメートル地帯
今回紹介する荒川は、北区で隅田川と放水路としての荒川に別れています。
荒川はその名前のとおり「荒ぶる川」となり、過去幾度となく洪水による氾濫を繰り返してきました。1947年、1982年、1999年に大規模な氾濫を起こしています。
墨田川は、浅草のそばを通り、中央区で東京湾に流れ込んでいます。東京駅からも1キロメートルほどの場所を流れています。
荒川流域の江東5区(足立区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区)は全国有数の海抜ゼロメートル地帯であり、この地域には150万人に人が生活しています。
荒川放水路は河川敷を広く取っており、公園、野球場、バーベキュー場、ゴルフ場などを整備しています。水害の恐れがあるときは、首都を守るため、荒川放水路が受け止めることになっています。

荒川は寸前で食い止められた
もし、荒川、隅田川のいずれかが氾濫していれば数万人の犠牲者が出た可能性もありました。
11月11日午後8時50分、北区赤羽付近にある岩淵水門を閉鎖し、墨田川への流入を止め、荒川に流しました。
東京新聞は、「岩淵水門を閉鎖しなかったら隅田川が氾濫していた」という記事を伝えています。
岩淵水門の水位は、13日午前4時過ぎに、「避難判断水位(6.5㍍以上)」に達しています。氾濫危険水位(7.7㍍以上)一歩手前のレベルで、その後も増え、10時に7.16㍍に達しています。まさにギリギリの状態でした。

岩淵水門
国土交通省関東地方整備局荒川上流河川事務所ホームページより

荒川第一調整池
荒川第一調整池
国土交通省関東地方整備局荒川上流河川事務所ホームページより

岩淵水門の上流、荒川のさいたま市と戸田市の場所に荒川第一調節池があります。
通常は秋ヶ瀬公園、彩湖・道満(さいこ・どうまん)グリーンパークなどとして市民の憩いの場になっていますが、台風19号のときは本来の治水効果を発揮しました。
10月12日午後11時35分頃、荒川から越流堤を越えて荒川第一調節池への洪水の流入が始まりました。
河川敷のグラウンドなどは水没したものの、市街地との間を隔てる堤防からの越水はなく、荒川第一調節池は過去最大となる約3,500万立方メートルの貯留を行いました。

指定避難所に指定されている園の対応

Posted by MAKI on   0 

指定避難所に指定されている園の対応

指定避難所とは
指定避難所は、津波、洪水などにより高台などに一時避難した後、自宅が羽化上浸水や津波の被害に遭い戻ることができない人のため、しばらく生活するための施設です。
市町村から指定されますので、災害時のテレビ報道で見るように学校の体育館などに段ボールなどで仕切られた場所で生活されている被災者の方が映されることがありますが、それが指定避難所です。
津波や冠水などの可能性がある地域にある施設で園舎は水に浸かる可能性が低い場所または2階建以上の建物が指定されます。
学校や公民館が指定されますが、公共施設が少ない地域では、保育施設も指定されることがあります。

何を提供するのか
まず、避難場所を提供することになりますが、対象者を母子に絞るのか、それとも一般市民に広げるかは近くに他の避難所があるのかなど地域の実情や被災状況により違いますが、できれば母子を優先できればと思います。
あらかじめ保育を継続する場所と市民に提供するバスを決め、市(区)役所の防災担当と協議し、毛布、仕切り、水・食料等とそれらを保管する防災倉庫の提供を自治体より受けることになります。
特に保育施設は大人用のトイレが少ないため、簡易トイレの用意は忘れないでください。

指定避難所の運営
避難所運営は被災者による自治組織とすべきで、施設の管理者である園側と相談して進めるべきです。食料の配分も自治組織に任せます。
すべてが不足する不自由な生活が続きますので、東日本大震災でも職員ががんばりすぎた避難所はかえってトラブルも長く続いた所がありました。

留意点
だれが避難してきているのかを記録し掲示しますが、DV被害に遭っている女性もいるかもしれません。氏名の公表が可能かの確認をする必要があります。
母子に限定できれば問題はありませんが、授乳や着替えの配慮も必要です。部屋が確保できなければ、男性が立ち入れない場所を衝立などにより確保する必要があります。
母子に限定した場合は、男性の立ち入りは面会場所に限定するなどの配慮が必要です。
また、園の警備体制も市民の協力を得て確保する必要があります。

要配慮者利用施設とは

Posted by MAKI on   0 

震災時に保育施設はどのように対応すればよいのか
要配慮者利用施設とは


あまり聞きなれない名称ですが、要配慮者利用施設という施設があり、保育所、幼稚園でも指定されている園があります。
要配慮者利用施設は、水防法で河川が氾濫した場合等に浸水が想定される区域を洪水浸水想定区域等として指定し、医療機関、福祉施設等の中から立地条件等を考慮して指定し、要配慮者を受け入れる施設です。保育所、幼稚園以外では、学校、高齢者施設、障害者施設、児童デイサービスなどさまざまな施設が指定されています。
努力義務の項目もありますが、指定自体は義務的で市町村長からの指示に従わない場合は、公表の措置があります。

対象となる要配慮者とは
災害対策基本法によると、要配慮者とは高齢者、障害者、乳幼児等の防災施策において特に配慮を要する方です。
支援については、車いすを利用している方、医療面の支援の必要な方も含まれますから、設備やスタッフについても専門性が必要です。
保育施設の設備やスタッフの専門性で対応できる要配慮者はやはり母子です。対象者を明記すべきです。

名古屋市の例では
名古屋市が指定している施設で見ると、河川の氾濫を想定した洪水浸水想定区域と土砂災害警戒区域の2種類があり、計2,285施設が指定されています。この中には、認可保育所、幼稚園だけでなく保育室も指定されています(範囲は自治体により違います)。

何をしなければならないか
指定されると避難確保計画の作成(義務)、訓練の実施(義務)、自衛水防組織を設置(努力義務)する必要があります。
保育施設では、避難計画の作成と訓練の実施がされていますが、要配慮者の受け入れ計画ですから、従来の避難計画と訓練では対応できません。
従来の避難計画に盛り込むか別途に計画を作成する必要があります。
自衛水防組織がない場合は、統括責任者、情報収集担当者、避難誘導担当者等の選定と研修は行っておくべきです。

南海トラフ地震の発生確率70~80%は本当か

Posted by MAKI on   0 

南海トラフ地震の発生確率70~80%は本当か
中日新聞が地震調査委員会の議事録分析


女川町医療センター
写真は女川町医療センター(2011年当時)

2018年2月9日、地震調査委員会が、南海トラフ地震が30年以内に発生する確率を「70%程度」から「70~80%」に変更したことを発表しました。
実はこの時の会議では地震学側と防災学側の意見が対立しました地震学側は、「他の地域と同じ方法にすれば(発生確率は)20%程度にまで落ちる」と主張しましたが、両論併記されることもなく70%~80%という30年確率が出されました。
発生確率を下げると、『税金を優先的に投入して対策を練る必要はない』ということになると政策側の声に押し切られたとのことです。

時間予測モデルとは
70%~80%という発生確率は、「時間予測モデル」を元に導き出されました。
時間予測モデルは、高知県室戸市の1707年の宝永地震、1854年の安政南海地震、1945年の昭和南海地震まで3回の地層が地震発生前に隆起しているとの記録をもとに予測を立てています。
しかし、宝永地震と安政南海地震の間隔は147年、安政南海地震と昭和南海地震の間隔は90年、宝永地震前も102年の間隔であり、発生間隔がはっきりと定まっているわけではありません。
時間予測モデルが根拠がないとの研究発表もあり、他地区の予想区判定方法とも違うことから、海溝型地震の研究者は支持しませんでしたが、政策側の委員に押し切られたとのことです。

それでは南海トラフ地震は来ないのか
フィリピン海プレートは、毎年数センチ、ユーラシアプレートに沈み込んでおり、ひずみは溜まっています。
前述の通り、過去には90年から150年程度の間隔で大地震が発生していますが、次にどの程度の地震がいつ来るかなどの予測は、現段階では不可能であるというのが現状です。
それでもプレート間のひずみは溜まっています。
いつ発生しても子どもたちの命を守り切ることのできる準備が必要です。

震災時に保育施設はどのように対応すればよいのか 各職員の動き

Posted by MAKI on   0 

防災対策委員会の設置
地震、火災、水害など施設単位で防災に対応する組織作りが必要です。
災害時の対応は、園長一人で対応できるものではありません。
全員で準備し、常に防災の意識を高めておく必要があります。

各担当班の例
(1) 安全点検班(係) 定期的に園内外の安全点検の実施。
(2) 消化班(係) 火災が発生したときの初期消火を行う。
(3) 情報収集班(係) 災害発生時の情報の収集、関係機関等との連絡。
(4) 救護班(係) 災害発生時の救急措置。
(5) 給食班(係) 非常食の確保、定期点検と補充、災害時の食事の手配。
(6) 地域住民対応班(係) 災害発生時に園に避難してきた住民の支援。

職種別の役割
園長(所長) 避難の指示等、災害発生時の対応全ての指示・命令を行います。情報収集、法人間・外部機関との連絡・調整を行います。
副園長・主任保育士 園内を回り避難誘導の指示を行います。園長・所長を補佐すると共に情報の収集、地域住民が避難してきた場合の支援に当たります。
クラス担任 園児の安全確保、避難誘導に当たります。食物アレルギーの園児に注意のカードまたはベルトをつけます。
副担任 クラス担任と共に園児の避難誘導に当たると共にクラスの非常持ち出し物資の搬出を担当します。 
フリーの保育士 0・1歳児クラスの支援に当たります。要救助者が出た場合は、看護師の支援に当たります。 
看護師(看護師がいない施設は保健担当) けが、体調不良者の救護に当たります。
栄養士・調理員 厨房内のガス、電源を切り安全確認を行います。決められたクラスの補助に入ります。断水に備えて水の確保、避難する場合は食料の確保を行います。
事務職員 名簿等、あらかじめ定めた緊急避難物資の搬出に当たり、状況に応じて園児の避難の補助に当たります。
その他の職種の職員 保育士を補助し、園児の避難の補助を行います。

南海トラフ地震を想定した避難

Posted by MAKI on   0 

南海トラフ地震を想定した避難


ダンゴムシのポーズ

緊急地震速報発令
みなさんの携帯電話から一斉にアラーム音と共に、「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」というメッセージが流れます(速報の前に大きな揺れが来るかもしれません)。
この揺れは、ほとんどの人が今までの人生で経験したことがないほどの死ぬかと思うような激しい揺れです。しかも5分程度は続くと思われます。
―その時が大津波を伴う南海トラフ地震の発生した時です。津波は到達しない地域でも液状化する可能性があります。

子どもと保育者の命を守る行動を
「地震が来たら、窓やドアを開け避難経路を確保する」
そのような生半可の知識は通用しないほどの大きな揺れが来ると思って下さい。
子どもだけでなく、保育者自身の命を守ることに専念してください。
職員が倒れたら子どもの援助はできませんし、子どもたちも激しく動揺します。
机が出ていなければ部屋の中央に集めて子どもと一緒に固まり、揺れに耐えてください。
お昼寝用の布団が室内にあれば一緒に頭の上にかけてください。

第一次避難場所への避難
大きな揺れが少し収まった時点で第一次避難場所への避難開始です。
津波が想定されない地区で園舎が耐震補強されていれば、園内のホールに避難することも検討すべきです。
園庭に避難、次に小学校に避難、それが正しい選択と思わないで、園の立地状況に合わせてください。
室内で待機するのであれば、建物がしっかりしていれば無理に防災頭巾をかぶせる必要はなく、まず避難です。
もちろん、小学校などに避難する場合は、落下物によるけが等が想定されるので防災頭巾をかぶせます。

だんごむしのポーズ
消防署でもだんごむしのポーズを取らせることを推奨していますが、両手で頭を守ると共に首も守れるように丸まるようにしてください。

停電を想定する
震度6強以上では、ほとんどの園で停電すると思います。
館内放送が使用できないことを想定して日頃の訓練をしてください。
園長はすぐに拡声器が使用できるように準備が必要ですし、弥富市の園では連絡用に各保育士がメガホンを避難用ジャケットに装備しています。

情報の把握
東日本大震災では情報の把握ができない園がかなりありました。停電しますし、防災放送も聞き取りにくく、市の広報車が園の近くを通ってくれなければ外からの情報は迎えに来た保護者からの情報に限られていた園も多くありました。
電池式のラジオは必ず用意する必要がありますし、携帯電話でワンセグのNHKの防災情報が見られるよう事前に登録しておくと良いと思います。もちろんすぐにバッテリーが切れますので予備のバッテリーも必要です。


震災時に保育施設はどのように対応すればよいのか 防災マップの作成

Posted by MAKI on   0 

防災マップの作成

園内の危険個所の定期的な点検と共に園周辺の危険な箇所の点検も必要です。

防災マップ
写真は弥富市十四山保育所の防災マップ

避難経路の安全確認

津波を伴う地震では、いち早く高い場所に避難することが求められます。
小学校、高台など園として決められた避難場所までの経路の安全確認はできていますか。
避難経路として危険な箇所は、1.ブロック塀、2.橋、3.大きな道路などがあります。

1.ブロック塀 ブロック塀は大阪府北部地震の時に小学生が倒れたブロック塀により死亡しましたが、倒壊すると命にかかわります。
2.橋 プレート境界型地震では、陸地側の地盤が大きく沈み込みます。そうすると橋げたは基礎が打ち込んであるため沈まないのですが、道路は沈み込みます。橋によっては車は通れなくなりますし、ちいさな子どもは乗り越えることができません。また、津波は先に川から遡上しますので、避難経路として橋(川)を渡ることは避けたい場所です。
3.大きな道路 大地震では、停電も伴うことも多くなります。避難する人で道路は渋滞する上に停電により信号もつかなくなります。早く逃げようとして、すり抜けようとする車も出るかもしれません。その中を子どもたちに大きな道路を渡らせるのは危険を伴います。
避難場所までの安全確認をすることが必要です。

複数の避難経路

想定していた道路が液状化などにより通行が不能になることもありますので、複数の避難経路を用意しておく必要があります。
散歩コースに取り入れる
散歩コースの一つに避難場所まで歩くコースを入れてください。
子どもたちも大きな揺れで動揺していますし、倒壊した建物を見ながらの避難となるかもしれません。
いつも歩きなれた道を通っての避難は子どもたちに少しでも安心感を与えますし、保育者も注意する場所がわかっていますのでより安全に誘導できます。

通園経路の確認

通園途中で地震に遭遇する可能性もあります。
保護者とも話し合い、親子で危険個所を確認してもらうことも大事です。

避難訓練編1

Posted by MAKI on   0 

震災時に保育施設はどのように対応すればよいのか 避難訓練編

十四山1

写真は愛知県弥富市の十四山保育所の避難訓練の様子
避難の途中で大きな余震が来たとの想定で全員その場にしゃがみ込む


月1回の避難訓練
保育所は、月1回以上の避難訓練が義務付けられています。
ただし、幼稚園はこの規程ではなく、消防法の適用施設となるため年2回以上でよいことになります.
東日本大震災を経験した福島県いわき市の20代の幼稚園教諭は、「子どもたちには大丈夫だよ、大丈夫だよと震えながら伝えましたが、年5回ほどの避難訓練ではどのように動いたらよいかわかりませんでした。」と証言していました。
幼稚園、認可外保育施設を含めて最低月1回の避難訓練の実施を義務付けるべきです。
間違っても書類だけ訓練を行ったことにするということはあってはいけません。

このような園はありませんか
避難訓練を見学していると、子どもたちがおしゃべりをしながら避難する姿を見ることがあります。
ある園の話です。園長が避難指示の放送を入れたところ、子どもたちに散らかったおもちゃを片付け始めたクラスがありました。
担任の方は、お散歩に行く前の感覚だったのでしょうね。
また、別の園では2階に0歳児1歳児のクラスと2歳児クラスがありました。
マニュアルでは2階のクラスは滑り台を使って避難することになっています。避難訓練で避難指示を出したところ、2歳児が滑り台前で並んで待機していたそうです。
園長さんがなぜ降りないのか聞いたところ、2歳児クラスの担当は、「マニュアルでは0・1歳児から先に降りることになっています」「マニュアルは間違ったことが書いてあるのですか」と園長に質問したそうです。
2つの園の話は、笑い話で済ませられる話ではありません。
子どもたちの命を守るためにすべての職員が最善を尽くすことが求められています。

真剣で実践的な取り組みを
訓練中に子どもが集中しないのは、職員が真剣に取り組んでいないことが原因の一つです。
職員が子どもたちの命を守り切るという覚悟で訓練に臨めば、子どもたちは懸命に避難してくれます。
第一波の津波到達が地震発生後10分以内のある市では、月2回の避難訓練を実施し、避難所まで走って避難する訓練も取り入れている所があります。
まずは、職員のみなさんが真剣に取り組むことから始めましょう。

該当の記事は見つかりませんでした。