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東北の保育者たちに学び、備える~巨大地震が来る前にできること

元・名古屋短期大学保育科教授まきさんと一緒に考える保育所・幼稚園の震災・防災・地震対策

災害や地震で被災した保育者への支援も必要です

Posted by MAKI on   0 

●保育者への支援

東日本大震災の被災地の保育者は、地震の発生時に自己犠牲をいとわず子どもたちを守りました。
自らも被災者であるにもかかわらず、子どもたちや保護者の支援や保育所・幼稚園の再開にかかわった人もたくさんいました。

公立の保育士は休めない

保育者への支援(休めない)

特に、公務員の場合は、保育所が閉鎖されている間は、避難所等で被災者の支援に当たることになります。
自ら被災しながら、被災者の苦情にさらされなければならないこともありました。

頑張りすぎる

保育者への支援(がんばりすぎる)

また、保育者は保育中の子どもの命を守りましたが、迎えに来た家族に引き渡したばかりに津波に飲み込まれ園児が死亡したケースもあり、「なぜあの時、引き止めなかったのか」と、自責の念にとらわれることもあります。

子どもたちの前では、笑顔を見せなければならないため、保育者は弱音を言えず、無理をしすぎることもあります。

身近な死に直面したり、子どもたちの命を守らなければならない保育者の重い使命感などから、「もう保育の仕事を続けられない」と思った被災地の保育者は少なくないようですし、保育の現場を離れた保育者もいました。

また、保育が再開し、子どもたちの笑顔を見て、「やはり私らは、保育士なんだ」と元気を取り戻した保育者もいました。

保育士が語り合う

保育者への支援(語り合う場が必要)

保育者同士が、カウンセリングの場だけでなく、お互いの辛さや弱音を出し合える場を確保することが必要です。
同時に、保育者の待遇面も含めた地位を向上し、社会的のもっと評価することも必要です。

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被災した保護者への支援(保育所・幼稚園が災害の後にできること)

Posted by MAKI on   0 

●保護者への支援

被災者だから一緒ではありません

避難所生活

保護者への支援も一律とは行きません。
震災直後は、家族や避難者同士が結束して困難に対処しますが、落ち着いてくると気持ちのすれ違いも出てきます。

家族や親族の誰かを失った人、それに加えて家も財産も仕事も失った人、そして震災を体験しながらもとりあえず人や物は失わなかった人など様々です。
子ども以上に喪失感を感じることもありますし、もっとあの時、こんなことができたのではないかと思うこともあります。


家族でもすれ違いが

離婚問題

震災という究極の危機は、家族の絆を強くするだけでなく、ちょっとした行き違いが表面化することもあります。

震災後1年を経過した頃から、東北の保育関係者から離婚問題をかかえた家族が多くなったと聞くようになりました。
体育館などでの避難所生活のときは、みんな厳しい条件という一体感が生じやすいのですが、震災後は収入面などの格差もよりいっそう出てくることから、保護者間の微妙なずれも生じやすくなることを考慮していく必要があります。

前述のとおり夫婦間のずれから離婚問題を抱えた家庭も出てきます。


何も失わなかった人

ママ友

震災後、1年以上たったあたりから、「私は何も失わなかったから」という声を聞くことがありましたが、その声は今でも時々、聞くことがあります。

大切なものを失わなかった人も、すべてを失った人と比較して罪の意識を感じてしまうのです。

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